2016年2月10日
多くのリウマチ内科、整形外科医は女性ホルモンの関節リウマチ発症への関与に興味がない。
私は15年ぐらい前に更年期関節症状を関節リウマチと誤診した事がありました。
現在でも一部の専門家が同じような間違いをしていますが、本人は気づいていません。 患者さんは治療を受けても改善しないので、疑問を抱いてdoctorショッピングをします。本院にはそういう方が多く受診されます。
一番の問題は更年期の関節症状に関して記述がどの医学専門書に書かれていないことです。40歳代から始まる女性の関節の痛み、朝のこわばりは男性にはあまりありません。 閉経近くなるとその訴えは多く、軽い症例を含めれば、500万人ほど存在するでしょう。
多くは自然に軽快してしまうが、年間5万人ぐらいは真の隠れリウマチで約半数は早期関節リウマチ、シェーグレン症候群などとなります。
つい最近のリウマチ研究会で、有名な先生が早期関節リウマチの鑑別診断の中で、最後に更年期関節症状を述べていました。大変うれしく拝聴していましたが、多くは6か月で消失するから痛み止め、リリカを服用することをすすめていました。私は彼に質問しました。2か月のホルモン補充療法で、関節症状は消失すれば更年期の関節症状であるから 鑑別ができると話しました。
彼はアメリカ、フランスで、リウマチ学を極めた先生ですが、彼曰く、アメリカではホルモン補充療法で心筋梗塞、脳梗塞になった症例があり、もしそうなると訴えられて、裁判沙汰になっていると答えられました。リウマチ専門医の多くの方はそのように思っています。
2002年JAMAに書かれた論文では、超肥満、喫煙をしている方、ひどい糖尿病の方、過去10年以上ホルモン補充療法を受けていた方、しかも平均年齢が63.5歳で始めているのです。この論文の影響が大変なのです。これは正しくない報道であることを毎日言い続けています。
昨日日本リウマチ学会での演題発表形式が発表されました。“関節の痛みと女性ホルモン”、“20~40歳の関節の痛みに超低用量ピルの有用性”は共にポスター発表でした。これでは若い先生に関心が届かないでしょう。私の力不足もあります。
そこで2016年4月9日〈土〉関節の痛みと女性ホルモン研究会を開催します。
興味のある方は参加してください。